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「おっまえ…なんだよ、ふくよかがタイプとか言ってるくせによぉ!」
「それはまた違うでしょう!春日は今のままで十分なんだよ!」
「交渉決裂だな!ったく、急に太りやが……」
言いかけた若林が何か思い出したのか吃り、色白な顔を徐々に紅潮させていく
やがて完全に真っ赤になると機能が全て停止したかのようにピクリとも動かなくなった
「わ、若林?」
「うわぁっ、バカ、近寄んな!!」
「え、ちょっ、ど、どうした?」
あまりにも急激な変化に春日が困惑し双方固まりしばらく
若林がようやく口を開いた
「そ…の、だなぁ。あの……最近、忙しくて……えっと、えー」
「うん」
「し……てないな、って」
少ない語彙から若林の言いたいことを鋭く理解した春日の顔にも熱が灯る
確かにこの一年間弱は忙しく肌を重ねていなかったな、と思い返し
このタイミングでの言葉はお誘いを受けているような錯覚に陥ってしまう
「だから…太った、と若林は言いたいわけですな?」
「まぁ…」
「ダイエット…するか?」
「まぁ…」
若林がそっぽを向いたままリモコンを操作し、設定温度を二度下げ、それを合図に2人はベッドルームに連れ立っていく
しますと宣言して行為を始めるのは何度だって恥ずかしい上に久々ともなれば緊張と羞恥はメーターを思いきり振り切っていた
「勘違いするなよ、…ダイエットだからな」
「ウィ」
その後、若林が痩せたと喜ぶ姿はあったが春日には悲しいほど変化がなく
「中年太りじゃねぇの、じじい」
勝ち誇ったような笑みを浮かべる若林に同い年でしょうよとやるせなく項垂れた
「やっぱ運動した方がいいんじゃね?K1時のがカッコよかったぞ」
「そうねぇ。それより若林にもう少し頑張ってもらう方がいいかな」
「…嫌」
終
ぷにぷにの若林さんも可愛いと思います
あと、春日さんは尋常じゃなくメタボリックです
同じ世代の伯父もそんな腹をしていた…
裏は、裏は自重しています(ったりめぇだ)
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