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収録も終わり、着替えがてら井上と他愛ない話に花を咲かせていると
扉にノックがかかり、出れば1日だけの相方だった若林が眉尻を下げていた
「石田さん!さっき春日も言ってたけど、マジで痛くない?」
「平気ですよぉ?うちの相方、結構強く叩いてくるし」
ハハッと軽く笑う石田に対して若林もそっか、と相槌を打った
井上は空気をはらませながら、音を目立たせるように叩くが、若林の力一杯叩いてくるツッコミはさぞかし痛かろう
「ちょっと弱めにはしたんだけど、本番になると加減がね」
多少なりとも自覚しているけれど、いかんせん加減は難しい
「まぁ、ともかく、ほんっままたやりましょうね!漫才」
「こちらこそ、おねガッ」
「駄目ですよわかばやーしっ!」
突如現れた春日のフライングネックブリーカーホールドが決まった
石田と井上の目には若林が一瞬で消え、さながら交通事故だ
首が持ってかれたであろう若林に青ざめたが、そこは元アメフト選手
何しやがる!っと元気に春日を蹴飛ばす
「若林には春日だけでしょうが!」
「だからテメェとやるよりやり易かったって言ってるだろ」
「あ、俺もそうやからな、井上!」
「おぃいい!」
いきなり話を振られた井上がさながら反射のようにツッこんだ
ノンスタイルの漫才はいつ見ても楽しそうでいいな、と若林は思う
「お、俺のこと捨てよったらアカンからな!石田!」
「冗談やろが。ね、若林さん」
「本気だけど」
きょん、と目を丸くした若林に一同が目を丸くした
取り分け春日は泣きそうな顔へ変貌している
「自分でもよくこれ相手にしてるなって思うもん」
「わ、若林氏!土下座ならいくらでもっ」
ここに絶大なる上下関係が垣間見えた気がして井上と石田が空笑いを溢し、
若林は丸い頬をにやりと緩ませフフン、と鼻で笑った
「まぁ俺のツッコミに耐えられるくらい頑丈なのはお前くらいだしな」
「わかばやーしっ!」
「余所でやってください」
楽屋前での熱いハグに石田が静かに注意をした
終
きちんとした春若はこれが初めてですね(パロディだらけだったものね!)
ドリームマッチの漫才から出来ました
思ってたのより少しずれましたが…いい、かな(こら)
ボケ×ツッコミが愛しい…
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