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誰かが魔女、と言った。
その声は小さかったけど、聞き取った者達は辺りを見回し始めた。
そして、ミントの姿を見つけるなり、魔女、と口々に漏らした。
その連鎖はあっという間に広がり、気づけば皆の視線はミントに集まっていた。
決して好意的なものじゃない。
そういった視線を貰うのは慣れているけど、数人から貰うのとじゃ訳が違う。
ミントは竦んでしまった。
微妙な雰囲気が漂う。
そんな中、青年がその雰囲気を意に介した様子もなく、ミントの事を周りの者に尋ねた。
あの娘は? とそんな一言だったと思う。
すると、周りの、特に貴婦人はミントの一族が続けてきたしきたりについて、喚くように喋り出した。
青年はポカンとしていたけれど、ミントはもっとポカンとしていた。
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