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バッカじゃない――。
と、声に出したかは自分でも判然としなかったけど、さっさと立ち去ろうと思った。
歩き出した時、風に乗って声が届いた。
『興味ないよ。あんな女』
するりと耳の奥に入った。
ミントは足を踏み出したまま止まって、その意味を考えた。
興味は持たなくて結構。
"あんな女"とは蔑む言葉だ。
それは、魔女でないにしろミントという一人の女には興味ないという事。
金色の髪を持ち、小柄な体型で、肌は色白のミントという女を拒絶している――ミントにはそうとれた。
腹が立った。
非常に。
こう見えても実は、ミントは攻撃的な性格なのだ。
ちょっとだけ困らせてやろう。
そう考えた。
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