Reportage1

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 明るい栗色の髪と鼻筋の通った凛々しい横顔。  この瞬間が一番ドキドキする。 「――いい加減諦めたらどうだ」  面倒くさそうに彼は言う。  ミントの方には決して目もくれない。  素っ気ない言葉だけをくれる。  でも、本日彼の元に訪れてようやく貰えた言葉だ。  それだけでもミントには嬉しい。 「知ってるでしょ。私は諦めが悪いの」  腰まで届く金髪を払いながらそう口にする。  彼はため息を吐いた。  先程まで熱心に執筆していた書類らしき束を纏め始めた。  どうやら仕事を終えたらしい。 「何度来たって同じだ。諦めろ」 「子孫を残すためだもの。そう簡単に諦めないわ」  彼は椅子から立ち上がった。部屋の中央よりやや壁際のソファーまで移動する。腕を伸ばし身体をほぐした後、ソファーに腰掛けた。  ミントは窓に視線を移した。  レースのカーテンが風に揺れている。  空は冴え渡った青空だ。
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