Reportage1

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 ミントは窓から視線を変え、彼が先程まで向かっていた机を見つめる。  実際は、ぼんやりとして明瞭に映っていない。  首を正面に戻したら目線の先に机があったというだけだ。  ミントは毎日机の横で、質素な丸椅子に座り彼の横顔を眺めている。  嫌っ、ていうほど疎まれてはいないけど、彼の対応は冷めている。  言葉は交わすけれど、彼の会話は感情が篭っていない。  俗にいう脈なしという経過だ。  落胆なのかただの呼吸なのか自分でもよく解らない息を吐き、ミントは立ち上がった。  もう諦めようかとも思う。  最近ではそう思うようになってきた。  なってきたけど、きっとまた明日も来るんだろうな、と予測できてしまう自分に苦笑する。  でも、彼に会いたいから。  丸椅子からそっと離れようとして、誰かが扉をノックした。  二三度叩き、女の声。 「シオン様」  その声は控えめだけど、嬉しい事があった時のように弾んでいた。  彼――シオンは扉へ向かう。 .
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