Reportage1

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「お仕事のお邪魔してごめんなさい」  部屋に入るなり女は上品にそう言った。 「いや、今一段落して休憩してたとこだから」  シオンは片方の扉を全開にして女を中へ招く。  そう良かった、と言って女は微笑んだ。  パチ、と女と目が合う。  その瞬間、女の眉と眉の間に皺が寄ったのをミントは見逃さなかった。 「あら、またいらしたのですか。全く、どうしようもないですわね、あなたは」  お高く留まっているこの女は、今ミントがいる邸宅の当主の娘だ。  髪が縦ロールなので、初めて会った時も縦ロールだけは印象に残っていた。 「勝手に入ってきて、不法侵入罪で訴えますわよ」 「今、出ていきます」  潔くそう返したのは女が好きじゃないから。  同性のミントから見ても女は美しかった。言葉遣いや着ている衣装も育ちがいいのを物語っている。  けど、シオンの前じゃ猫を被っているから好きじゃない。
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