エイシ

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「あ、オレはエイシや。よろしゅうな。にしても兄ちゃん強いなぁ」 勝手に自己紹介を始めた子供、エイシは男に感心し賛辞を送る。 それに二人は顔を見合わせ、男は口を開いた。 「勘違いしてるようだな。折角だから俺も自己紹介してやろう。俺は矢沢拓。ずっとこの家に居た人間だ」 へ?と、きょとんとしているエイシを余所に拓は続けた。 「んで、お前が足にしがみついていたこいつは要。俺の妹だ」 「………。 えええぇぇぇ!!??」 その間、約10秒。 要が女だと理解するのに要した時間。 「お前『女』だったんか!!??」 「…悪かったな、クソチビ…」 未だ信じられず、初対面にも拘らず思いっきり失礼な発言をするエイシに、要は遠慮なく怒りを表した。 .
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