0人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ、オレはエイシや。よろしゅうな。にしても兄ちゃん強いなぁ」
勝手に自己紹介を始めた子供、エイシは男に感心し賛辞を送る。
それに二人は顔を見合わせ、男は口を開いた。
「勘違いしてるようだな。折角だから俺も自己紹介してやろう。俺は矢沢拓。ずっとこの家に居た人間だ」
へ?と、きょとんとしているエイシを余所に拓は続けた。
「んで、お前が足にしがみついていたこいつは要。俺の妹だ」
「………。
えええぇぇぇ!!??」
その間、約10秒。
要が女だと理解するのに要した時間。
「お前『女』だったんか!!??」
「…悪かったな、クソチビ…」
未だ信じられず、初対面にも拘らず思いっきり失礼な発言をするエイシに、要は遠慮なく怒りを表した。
.
最初のコメントを投稿しよう!