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雨が降っている…
健二は病院に向かって走っていた。
疲れているがそんな悠長な事言ってる場合ではない
信号や踏切に足止めされてその度に…
「あぁ~じれったいな!早くしろよ!」
と口に出していた。
周りの一般人から見た健二は恐らく「変な人」に見られているだろう。
でも健二は全く気にしていなかった。
今はひかりの無事を確認したいという一心で走り続けていた。
「頼む…無事でいてくれ…!もう一度笑顔で走ってきてくれ…!」
さっきの警察官に聞いた病院に着いた。
病院の中でも健二は全力で走っていた。
医師や看護士に何かを言われている。
多分「静かにしろ」とか「走るな」とかだろう。
そんなことはどうでもいい
俺は小学生じゃねぇんだよ。
「ひかりーーー!」
バタンッ!
力強くドアを開ける
ベットに横たわっている「ひかりらしき」人物
周りの医者達はうつむいている…
「これは…!先生!ひかりは…ひかりは大丈夫なんですか!?」
医者は黙って首を横に振った
「…嘘だろ?なぁ…ひかり…今日は食事に行くんだろ!?こんな所で寝てるんじゃねぇよ!」
涙がこみ上げてくる…
感情が爆発して止まらない
医者が腕を掴んでくる
「離せよ!俺はひかりと食事に行くんだ!離せよ!くっそぉ!」
しばらくして健二は落ち着いたがまだ涙は止まらない
医者は黙って病室から去っていった…
健二は座ってひかりの手を握っていた
ひかりが目覚めることを信じてずっと握っていた…
外は雨が降っている
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