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健二はひかりの手を握ったまま朝まで眠っていた
目が覚めてもひかりは昨日と同じ状態のままだった…
ひかりの手は冷たいままで目を覚ますこともなかった…
健二は生きる気力が無くなったかのようにふらふらと家に帰った…
その後はどこにも行く気にもならず飲まず食わずの状態が何日か続いた…
事故から数日後にひかりの友人からひかりの葬式があることを聞いた…
健二は葬式に出席した
ひかりの親族はみんな泣いている…
「この時に泣かない俺は周りからどんな目で見られているのだろうか…」
健二はそう思ったがもう涙は事故の時に病院で枯れてしまったようだ…
最後にひかりを一度だけ見る時に健二はポケットから一つの箱を取り出した
ひかりの両親は泣きながら健二を見ていた
健二はひかりの両親に向かって…
「ひかりに渡したい物があるんです」
と言って箱から指輪を取り出した…
それをひかりの指にはめて
「これでずっと一緒だからな…ずっと…ずっと…」
また涙が溢れてきた…
健二は涙を拭わずにひかりの両親に一礼してその場を去った
その後の焼却するのを健二は見たくなかったのだ…
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