骸雲

3/5
前へ
/16ページ
次へ
応接室、 僕が校内の見回りから帰ってくると、ソイツは悠々とソファーに腰掛け、紅茶を飲んでいた 「……何でキミがいるのさ」 「雲雀君も随分と野暮なコトを聞きますねぇ。愛している人に会いに来るのに理由なんて入ります?」 「僕はキミなんか好きじゃない。兎に角ここから出て行って。邪魔だよ」 そう言い、ソイツをソファーから引きずり下ろすために近寄った その瞬間、ぐいっ、と腕を引かれ、 気付けば、どさっ、ソファーに押し倒されていた ――油断した 「クフフ、さて雲雀君。可愛がってさしあげますよ」 「……ッ、」 「おやおや、顔が真っ赤ですよ?僕のコトは"キライ"なんでしょう?どうしたんです?」 「……別に僕はっ」 「クフフ、何です?」 好きじゃない、とは言ったけど、キライだとは言ってない。 ムカつくくらいに綺麗に笑っているコイツは、 ……明らかに確信犯だ "手、顔、手(はさみうち)" (もう逃げ場はない) (まあ、最初からそんなのわかっていたけど、) (この状況からも、キミからも、) .
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

55人が本棚に入れています
本棚に追加