骸雲

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最初は、お互い興味からだった 僕は強いアイツに執着していたし、アイツも僕に執着していた 何時からだろう 執着が恋へと変わっていたのは 恋が愛とへ変わっていたのは 「骸、いい加減、放して。仕事出来ない」 応接室、 もうかれこれ1時間ほど、僕を抱きしめてソファーに座り込んでいる骸に抗議の声を上げた 「いいじゃないですか。もう少しくらい。充電ですよ、充電」 「…充電って」 「まだまだ、足りないんですよ、雲雀君が」 「……」 「……ときどき、怖くなるんです。 僕なんかがこんなに幸せでいいんだろうかと。ホントは全部、これは幻なんじゃないか、と。 ……だから、もう少し。 もう少しだけ、雲雀君の温もりを感じていさせて下さい。」 ――ホントに、コイツは、 「……ばかじゃないの。 いいんだよ。幸せで。 骸は幸せになっていいんだよ。」 「…でも、僕は、」 「僕がいいって言ってるんだからいいんだよ。幸せになって、いいんだ。 ……なんなら、僕が骸を世界一の幸福者にしてあげるよ」 「……プロポーズですか、それ」 「さぁね、」 「顔、真っ赤ですよ」 「骸もね。しかも泣きそう。ひどい顔」 振り向いて見た骸の顔は、涙をこらえるのに必死で、もうぐちゃぐちゃだった 「煩いですよ」 「……ねぇ、骸、」 「何です?」 「……僕も、とても幸せだよ」 そう言うと、ぎゅう、とさらに強く抱きしめられた 「当たり前です。 雲雀君は、僕が世界一の幸福者にしてあげるんですから」 "そうさ僕らは世界一の" (幸福者さ) お互い不器用で、愛し方も愛され方もよく知らなかったけど、確かに僕らは愛し合っていたし、とても幸せだった . なんか恭ちゃんの方が若干男前な気がしないでもないですが骸雲です 骸雲なんですと言い張ってみる .
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