第十章

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「おい…ユウジ…。起きろよ…。いつまで寝てんだよ! みんな待ってんだよ!…帰ってこいよ…頼むから…まじで」 ハルトはユウジに語りかける。 「ユウジ!!!戻って来て!お願い!」 サナも泣きながらユウジに届くように叫ぶ。 「ユウジー!!頑張れよ!!バッカヤロー!」 マサツグも顔を上げてユウジを見つめる。 その時だった…。 「…ハ・・ルト…。」 「「ユウジ!!!」」 ユウジがうっすら目を開けて、 ハルトの名前を呼んだ。 「ユウジ!!!がんばれ!負けんな!!!」 ハルトも負けずに叫ぶ。 「ッハハ…。バカだろ…オレ。…でも、ハルトが…元気になってくれたし…約束…守れた…かな」 ユウジがかすれた声でゆっくりと話す。 医師は止めるが、それでもユウジは続けた。
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