第十章

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「…今日、アキラから…写真もらった…よね?」 「おおう。もらった。」 「あの日、いっぱい写真…撮ったのに…ユウジ・・ずっと寝てたから…皆がそろってるの…1枚しかなかった…うわぁああん」 そう、あの日あのとき ユウジは眠くてずっと寝ていた。 唯一もらったこの写真だけこそが、みんなそろって笑顔で撮った最後の一枚。 「あぁ…。そう、だな。1枚でもありがたいよ」 ハルトは小さく零した。 「また…連絡するね」 そう言って電話は切れた。 短時間の電話だが、エリカが言いたいことがすべて伝わった。 ユウジは皆の大切な人だった。
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