夏休み・無人島

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「さあ、とりあえず委員長のことは忘れて…いこうぜ光ッ!」 だだだだ大丈夫…中学生だから捕まりはしないはず…はず! ここここここまでき引き返す訳にも行かない! なんとかなる…なんとかなる! 「よっし…行くか!」 「さすが光だぜ!」 その会話を皮きりに再び俺たちは木の影にみを潜める。 あとは白浜達がおれらの前まで来るのを待つだけ… 今からやろうとしていることを思うと心臓の鼓動が早まる。 あ、これは興奮とかではなく心配からくるものだからな? いや、なんやかんや言っても結局あーんなことをするのには抵抗があるわけよ。 誠だって…あ、鼻のした伸びてる。 じゃなくて! でも行くかって言っちゃったしな… とりあえず飛び出すだけ飛び出して、後は誠を眺めていることにしよう… 「この距離だ!いくぞ光!」 「え!?お、おぉ!」 いろいろなことを考えていた俺をよそに誠は白浜達が絶妙な距離に居ることを確認し飛び出していった。 俺もあわてて飛び出したが、誠より2、3歩遅れてしまった。 「たいして怖くないわねー…拍子抜けだわ」 「所詮…人の子…」 「今どきこんにゃくなんかじゃ…ん?」 「なに…あれ…」 白浜と明海がこちら側に気付いたようだ…が、まだ俺たちだとは気付いてないんだろう。 若干不思議そうにこちらを見ている。 「うおぉお!覚悟ぉおぉお!!」 ※今叫んだのは誠 「ま…誠!?」 「須藤も…」 いい加減俺たちの存在に気付いたようだ。 白浜は分からんが明海は訳分からず焦っている。 これから誠に…まったく、ホテルでやれ! 「うぉおぉおぉ…あ、靴ひも」 「うぉおぉ!!?」 叫びながら明海の方に突っ込んでいっていた。 と思ったらいきなり誠がシャガミこむ。 ぴったり後ろをついていた俺は誠につまづきこける。 その結果… 「いや…まて、これはだな…」 俺の前には白浜。 いつもと同じクールフェイス…だけどほんのり頬が赤い。 その理由…俺が謝る理由に白浜の頬の理由… 「俺のハンドが白浜のバストへタッチダーウン!」 心のそこからでた言葉だった… 白浜の握りこぶしが見えている… 悔いは…ない こうして無人島での長いようで短いライフが幕を閉じた…
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