32人が本棚に入れています
本棚に追加
さぁ走れ僕! 己のままに!
……おっと趣旨が違った。
しかし走れ僕。
「……ぅおっ?」
あの風に靡く茶髪
あの真珠の様な白い肌
そして円らな瞳……
み
「音無さん……?」
明らかにうちの制服で明らかに音無深玖(ミク)。
「……誰ですか?」
怪しげな目。
そうか記憶を失ってるんだっけ。
自分の都合の良い様に。
「えっと……同じ高校なんだけど、わかる?」
「知りません」
瞬殺っ!!
しかしめげるな僕。
「今田佑助(ユウスケ)っていうんだけど……」
音無深玖の表情が変わる。
よしきた。
「えっえ?」
声色も変わる。
「覚えてないかな」
好青年っぽく笑う僕。
狼狽える彼女。
「……ゆ…すけ」
「ミクちゃん」
「ゆ…」
ぶちり
「えっ?」
「きゃああああああ!!!! むきゅるきゃーーー!!!!」
突然叫びだす彼女。近所迷惑。
「み……ミクちゃん?」
がしっ 掴まれたっ
「ゆうすけくん……ゆーくん……」
「ミクちゃん?」
ゆっくり頭を撫でる。
「ゆーくん……」泣き始める彼女。
「どうしたの?」
「逢いたかった……」
素直で可愛い良い子。
まぁ、嘘なんだけどねー。
僕の胸で号泣する彼女。あ。鼻水まで拭いてる。
「ずっと逢いたかったの……!」
すすり泣きながら制服を離さないミクちゃん。
「僕もだよ」色んな意味でね。
さてまぁ閑話休題。
ってか戯言だけど一応紹介。
僕は悪漢小説……つまりピカレスク小説は好きだ。
しかし自分を悪漢と認めたことは無い。
あれだけ人を傷つけても、
僕は必要悪なのだ。
まぁ……嘘なんだけどー。
最初のコメントを投稿しよう!