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「ミク」
取り敢えず泣き止んだミク。
「なに?」
また相変わらず美少女だなぁ。
「今は、誰と住んでるの?」
答えは解っていた。
「ん? ひとりだよー?」
はい。大正解ハワイ旅行の旅ー…は無いな。
「一人ってー……危なくない?」
「危なくないよー?」
ミクはきょとんとした顔でこちらを見つめる。
「そういうゆーくんは? 一人なの?」
痛いところを突かれた。
「一人……だけど、ほら、ミクは女の子だし」
「ぜーんぜん大丈夫っ」
………
「……ミク」
「ん?」
「『危険』って何か知ってる?」
「きけん? なにそれ」
わーー驚き。
「ミク……学校行ってるんだよね?」
「ううん」
「へっ?」
「制服だけ着てるー」
………ん?
そりゃあゆうすけくんにも逢えない訳だ。
しかし、音無深玖。
思ったより強敵っ!
ミクは思いっきり僕の胸倉を掴んで
「いーの! ミクはゆーくんさえ覚えていればいーの!」と喚く。
「あばばばば」口も摘まれた。
ミクは方向転換して、ゆっくりと歩き出す。
「?」
「……ゆーくん、帰るの?」
切なそうな声。
「ん? まぁ時間が来たらね」
「何処に行くの?」
「何処って……僕のアパートだけど」
「ふぅん」
何か嫌な予感。
「ゆーくん」
ゆっくりと
「なに…?」
ふりかえる!
どーん!
鞄でぶん殴られたっ
「あ れ ?ミク…?」
視界がぼやける。
「お休みー♪」
ばたん。
音無深玖。人を殴るのは慣れてるのか……
納得納得……ぐ。
お…お休みなさい…。
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