一章 多分救われない人達

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「ミク」 取り敢えず泣き止んだミク。 「なに?」 また相変わらず美少女だなぁ。 「今は、誰と住んでるの?」 答えは解っていた。 「ん? ひとりだよー?」 はい。大正解ハワイ旅行の旅ー…は無いな。 「一人ってー……危なくない?」 「危なくないよー?」 ミクはきょとんとした顔でこちらを見つめる。 「そういうゆーくんは? 一人なの?」 痛いところを突かれた。 「一人……だけど、ほら、ミクは女の子だし」 「ぜーんぜん大丈夫っ」 ……… 「……ミク」 「ん?」 「『危険』って何か知ってる?」 「きけん? なにそれ」 わーー驚き。 「ミク……学校行ってるんだよね?」 「ううん」 「へっ?」 「制服だけ着てるー」 ………ん? そりゃあゆうすけくんにも逢えない訳だ。 しかし、音無深玖。 思ったより強敵っ! ミクは思いっきり僕の胸倉を掴んで 「いーの! ミクはゆーくんさえ覚えていればいーの!」と喚く。 「あばばばば」口も摘まれた。 ミクは方向転換して、ゆっくりと歩き出す。 「?」 「……ゆーくん、帰るの?」 切なそうな声。 「ん? まぁ時間が来たらね」 「何処に行くの?」 「何処って……僕のアパートだけど」 「ふぅん」 何か嫌な予感。 「ゆーくん」 ゆっくりと 「なに…?」 ふりかえる! どーん! 鞄でぶん殴られたっ 「あ れ ?ミク…?」 視界がぼやける。 「お休みー♪」 ばたん。 音無深玖。人を殴るのは慣れてるのか…… 納得納得……ぐ。 お…お休みなさい…。
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