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自分で提案しておいて何だが、流星群をだれと見ようか、一人で見ようか、全く考えてなかった。
真っ暗になった街に降り注ぐ星々を見たいとは強く思っていたのだが。
川゚ -゚)「‥‥ドクオと見る夜空‥流れ星の雨‥。」
そう呟いて、顔から火が‥いや、炎が出るかと思うくらい恥ずかしくなった。
川////)「な、なんで恥ずかしくなってるんだ私は‥!」
下着姿に首からタオルを下げたまま、独り言を続ける。
再び乱暴に髪の毛をわしゃわしゃと掻き回した。
ドクオ‥
自分よりやや背が低く、体格は細く、ひ弱そうで頼りない。だが人一倍、痛みを理解していて優しくて純粋な人柄、心配り。
長く、痛みのない黒い前髪から覗く瞳。伏し目がちな瞳に落ちるまつげの影。
けだるそうにしていても、ふと見せる微笑の柔らかさ‥。
川////)「わ、わ、わ!」
なんでこんなに彼の事を鮮明に思い出せるのだろうか。
それは‥ずっと彼を見ていたからなのか?
そんなバカな!付き合いが長くてよく覚えているだけ。
ツンもブーンも、鮮明に思い出せる。
彼もそのうちの一人。ツンやブーンと同じ仲間の一人。
言い訳のようにそんな自問自答を繰り返していたが、心臓はずっと早鐘を叩いていた。
川゚ -゚)「と‥とりあえずこれからツンが来るし、相談してみよう‥。」
ツンならこの早鐘や恥ずかしさの正体を解き明かしてくれる気がする。
なんとか平静さを取り戻して、自分のクローゼットから白いキャミソールワンピースを取り出し頭から被った。
夜は冷えるので薄手の淡いピンクのカーディガンもついでに羽織った。
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