crossing

2/3
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
いつもの時間、いつもの道。 でもこれが最後かもしれない。 そう考えたのはいつが最初だったろうか。 視線、視線、視線。 これは絶対に「いつも」だ。 俺が自らド派手な格好してるから。 色が己の心情を表している。 敢えて派手にするのは自分を見て欲しいから。 どこかの神秘主義者の話。 知った事か。 俺は俺の好きにしてる。 それが事実、それで良い。 急に視線が途切れた。 止まって、その方向を見やる。 少女の横顔。 「なぁ、何してる」 ガードレールに座る少女。 何をしてるかなんて、どうでも良い。 ただの興味、話しかけるには内容なぞどうでも良い。 「やぁ。私は座ってるだけだよ、ツカレたから」 しまった、と心が呟いた。 後悔が襲い来る。 とりあえず。 「そうか。隣、失礼するよ」
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!