monotory

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いつもの時間、いつもの道。 でも心情は違った。 少しの緊張。 出来るだけ、周囲を見回した。 彼女はいるだろうか。 生温い風の中を駆ける。 「色彩の君」 冷たい風が頬を掠めた。 景色から彼女が浮かび上がる。 昨日と全く同じように空気がズレた。 「また会えたな。モノクロのお嬢さん」 「何、ソレ。私の真似かい?」 昨日とは違い、大声で笑う彼女。 あまりに俺に似合う言葉だったから。 そのお返しに格好つけたかった。 「なら、俺は何と呼べば良い?」 昨日全く同じ時、場所。 彼女もまた、同じように微笑んだ。 違いといえば、俺たちは立っている。 「好きに呼んでくれたら良い。私は固定が嫌いだ。」
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