アンタなんかに負けねぇし。

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「好きなんです……」 ストレートな言葉選びに、まっすぐな声。 ざらざらと、砂を敷き詰めたような苦い心地。 「オ、オレと付き合ってくださいっ」 訴えるような声は、この上なく真摯だ。 大きなつり目に早くも涙が溜まっているのに、気付いてしまった。 顔は真っ赤で、ヤツの身体中が小刻みに震えてる。 里央のこと、好きなんだね。愛しちゃってるんだね。 わかる気がするだけに、ざらつきがいや増す。 逡巡は、里央が彼を傷つけることへの覚悟を固めるための沈黙は、破られるべきものとしてつかの間横たわり。 「……すまない」 里央は深く、膝に顔がつきそうなくらい、頭を下げた。
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