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『里央はアンタなんかに、あげないんだから』
「お前っ……」
まさかと千祐が、目を見開く。
たった今里央が愛してる宣言をかました、自分がフラれた原因の彼氏サマが、こんなちびっ子幽霊だったなんて、って感じ?
ごしごしと、千祐が目を擦ってる。
ちょっと、オレは幻覚なんかじゃないってば。
まじまじとオレを見やる瞳を睨み返す。
「き、桐咲さん!」
「なんなのだ?」
見えちゃったもんは仕方がないと、里央はすっかり落ち着きを取り戻してる。
「桐咲さんの彼氏って……」
千祐のせつなる願いもなんのその。
「翔なのだ」
キュートな笑顔で紹介だ。
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