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「この学校、やたらと少ないの、わかるかな?」
「わかるのだ。少なくて楽だから、ここにしたのだ」
里央はそうと、入学の理由を明かして聞かせた。
へー、そうなんだ。
ご同業にはまだお会いしてないから多いのか少ないのかオレにはさっぱりだけど、里央たちにはそうと感じられているらしい。
「それ、きいちゃんが片っ端から祓っちゃって。
学校経営者と楽しく通ってきてる子はそのままでいいでしょうって言って止めたんだけど」
幽霊クリーン大作戦が決行されている、ってことか。
「だから優しそうなおっちゃんといい子しかいないのだ!」
里央はなんだか納得する風で、しきりと目を輝かせている。
つまりこの校内には、死後も学校が愛しくて、限りないスクールライフをエンジョイしに来てるやつらしか居ないってことか?
それはそれで、すばらしー……。
「きいちゃんのことだから、翔くんを見たらすぐお祓いしようとするかもしれない」
真琴が問題の核心に踏み込んだ。
何も学校の過ごし易さに感動するためにこうしてるんではないんである。
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