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「ボクと、お茶してくれないかな?」
『……はぁ!?』
あんまりにも予想とかけ離れた言葉の続きに、里央と2人で怪訝な顔だ。
だって、いくらなんでも真琴の意図がつかめない。
「ダメかな……??」
しょんぼり、なんて表現がぴったりなくらい、真琴がしゅんと肩を落とした。
「な、なんで翔とお茶なのだ!?翔がお家に居てくれれば、ぜんぶ丸く収まるのだ!!」
だから翔を追い返すのに協力してくれと里央は言いたいらしいけど、何故か真琴は、オレの味方らしかった。
「翔くんのあんな表情みせられて、帰れなんて言えないよ」
ケガした里央に向けてた、あの情けない顔?
それとも、追い返されそうって覚悟決めて、真琴を睨みつけてた表情?
わかんないけど、オレの愛が届いた感じ?
「きいちゃんに見つからなければ大丈夫だと思うんだ。数学の間だけ、ボクと遊んでくれないかな?授業中はほっとんど誰も来てくれなくて、実はすごくつまらないんだ」
かくまってやるから、連れてきても大丈夫。
そんな誘いは、オレにとっては天の囁きで。
悪魔だなんて、取り消します。
土下座してでも謝ります!!
『真琴っ!!さんきゅなっ!!』
オレが真琴に飛びつくと、ふふと笑って、受け止めてくれた。
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