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丁度、6限目の終わりを告げるチャイムが鳴った。
もう少しすれば、里央がオレを引き取りにきてくれる。
「あ~あ、里央ちゃん、ずっと翔くんのこと貸しといてくれたら良いのに」
決まり文句みたいに、真琴が言う。
『や~だよ。本当はオレ、数学の間だって里央の傍に居たいんだから』
除霊マニアだそうな数学教師、巫浄 祈一琅に見つかったりしたら、まず間違いなく天国逝き。
真琴大先生さまに授けられたおっそろしー助言に大人しく従って、数学の授業中、オレは真琴と保健室でのんびりトークしてるわけだ。
数学の授業中、学校内をふわふわしてるしかなかっただろうオレを預かると言い出してくれたのは真琴の方で、里央は下手に動き回られるぐらいならと、しぶしぶオレを真琴に売った。
少しの間里央と離れなきゃならないわけだけど、こういう時間の過ごし方ならありかなとも、思わなくはない。
「相変わらずラブラブね」
微笑ましげなコメントに勝気な笑みで応えてやるところに、ガラリ。
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