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「お前たちは……その……」
巫浄がこれっぽっちも知りたくないのに、答えのわかりきってる問いかけをしなきゃいけないみたいに、先を濁した。
あぁ、やっぱり変だって思う?
信じらんないって、言うよね。
アンタなら、特に。
『恋人どーし』
やっぱり、知りたくなんてなかったんだろう。
巫浄が、ばつの悪そうな顔をした。
里央の様子を見た後じゃ、無理もないと思う。
巫浄にとってオレは、里央のちょっと毛色の変わったペットぐらいに見えてたんだと思うんだよね。
里央のつもりとして、そういう存在だって風に。
ペットの死期を知らされるのと、恋人のそれとじゃ。
重量が、やっぱり違う。
オレたちの関係を知ってたらきっと、こういうことには、なってなかったかもしれないね。
でも、だけど。
残念ながらオレたちは恋人同士で、オレが隠そうとしてた秘密も、里央にはバレてしまったんだった。
だから、せめて。
目覚めた里央がまたパニック起こしたら、止めるのに、協力してよね。
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