砂時計の砂は落ちる。

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月をまたいだ12月も半ば。 オレの周囲は、相も変わらずにぎやかだった。 オレを祓っちゃう気はないみたいだけど、巫浄の視線は強烈で、ひょこひょこ真琴の所に避難する習慣は変わらない。 千祐は千祐で里央へのちょっかいの手は緩めねぇし、桜子は桜子でおっとりオレたちのやりあいを通訳してもらってはクスクス楽しげに笑ってる。 大きな変化と言えばだ。 ついつい保健室に入り浸ってしまうオレたちの中に、巫浄が加わりだしたって、ことぐらい? いつだってにこにこ笑顔を絶やさない真琴と、眉間のシワが1本なら機嫌が良い方って具合にしかめっ面がいたについてしまっている巫浄が並んでるさまは、面白い好対照で。 しかも真琴の方が強いって言うんだから、あれを面白いと言わずには居られない。 はじめはみんな巫浄にビビっちまってたけど、見た目ほどにはお固くはなさそうだっていうんで、千祐なんかは結構懐いてる。 巫浄は巫浄で、里央を気にしてくれてるみたい。 だからわざわざ顔を出していくんだと、真琴がこっそり教えてくれた。  
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