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なんだかいつも以上にけだるくて、夜が闇色から藍ってぐらいに明けはじめた辺りで、記憶が途絶えた。
消えてしまうんだと悟った日以来続けてた、寝ずの里央の寝顔番に、初めて穴を開けてしまった日。
やけに必死なトーンでオレを呼ぶ里央の声に揺さぶられて、眠っていたらしいことに気付いた。
「よかったのだ……」
目の淵に雫を溜めて、里央はほうと息を吐いた。
『どーしたの??』
なんかオレ、里央を泣かせるようなこと、した??
不安になっての問いかけへの答えは、切なげな微笑と。
「気付かないのだ?」
涙声の、優しい問いかけ。
『なに??』
里央の様子の理由に見当すらつかなくて、オレは多分相当におろおろしてたんだと思う。
里央がそっと、オレを抱きしめる仕草をしたから。
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