さよならは言わない。

そして、巫浄。

『痛くしないでね、センセ』

アンタにも、感謝。

オレを消さずに居てくれて、こうして協力までしてくれて。

里央を、悲しませずに居てくれて。

「保障はせん」

多少の毒舌は、今日に限ってご愛嬌。

『つれないこと言っちゃって』

眉間にシワで、なんも言い返してこないのは、やっぱりアンタもらしくなく緊張なんかしちゃってるの？

『信じてるから』

オレたちはアンタを、信じてるから。

『よろしくね』

ニッと口角を持ち上げて、里央を見る。

下手したらどうなるかなんて、未知数。

サヨナラが早くなるのかもしれないし、記憶だけぶっ飛ぶのかもしれないし。

だけどオレ、悪運だけは強いタイプのはずなんだ。

こうしてココに居ることが、なによりの証しでしょ？