さよならは言わない。

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園内はクリスマスカラー一色で、あちこちがステッキやくつしたのクリスマスモチーフで愛らしく飾られていた。 夜にはきっと、イルミネーションがきらびやかに世界を彩るんだろう。 今この場に里央といる、それだけでも心が弾む。 中華まんを半分こ。 コーヒーカップに振り回された。 噴水で、里央がすごくはしゃいでた。 ディナーには、ろうそくを立てたクリスマスケーキを。 歩いたり走ったり忙しい。 並んでるだけの時間だって、いとおしい。 しっとり微笑む里央が、キラキラとなによりも綺麗。 可愛くて可愛くて、なにをしてても、どの瞬間も、たまらなく里央は可愛くて。 このまま時間が止まれば良いのにって、どれぐらい願っただろう。 命に代えてもって、言うじゃない。 死んじゃってるはずのオレには、命なんて差し出せないけど。 差し出せるモノなんて、里央への感情ぐらいしか持ち合わせてもいないんだけど。 それでも神様、お願いだから。 里央とこのまま、2人で居させて。    
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