さよならは言わない。

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腕の中で、里央が小さく震えだした。 肩がじんわりと、生暖かい。 ぎゅっと身体を引き寄せて、髪に手を滑り込ませて頭を逃がさないように抱き込んだ。 「翔、もっと」 残って残って、消えないくらいに。 「里央、りお」 あぁもうっ、情けないな。 みっともなく、声が震える。 ちゃんと呼んでてあげたいのに、上手く声が出せない。 涙が溢れて、止まんない。 「翔??」 「りお、大好き」  
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