さよならは言わない。

ねぇ里央、幸せになるんだよ？

オレの分までなんて贅沢、言わないから。

里央の両手一杯の幸せを、ずっとずっと抱えてて。

そんでもって、里央の幸せがいつか溢れて腕の中から転がり落ちて、オレの足元まで転がってきた時は、壊さないように大事に拾い上げて、優しいキスを贈ってあげる。

涙を拭って、そっと里央の身体を押し離して、前を見る。

大丈夫、ちょっとは落ち着いてくれたみたい。