だって、好きだから。

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『ねぇ里央、里央はオレに、会いたくなかった……??里央はオレと離れてても、寂しくないの??ちょっとでも早く会いたいって思ってるの、オレだけ……??』 目一杯頼りなく声を響かせて、里央の瞳をまっすぐ見上げる。 『里央が家を出た瞬間からもう会いたくて、寂しくてしょうがないのに……』 意図的に俯けた視線の隅で、里央が慌てたのがわかった。 『里央のこと、待ってられるだけでも幸せだけど。でもやっぱり寂しくて、消えちゃいそう』 雨に濡れた捨て犬みたいな悲しい顔で囁けば、狙い通り、里央の心の鬼はどこかへ退散しちゃったみたい。 「こ、こんな可愛い顔でそんな可愛いコト言うの、ずるいのだっ……!!」 ぎゅっと包み込まれる感触。 おずおずと持ち上げた手を、セーラーの裾に縋らせた。 『里央、オレのことキライになる??』 里央の肩口に頬を摺り寄せるようにしての問いかけに、腕に力が篭もったのがわかった。 「そんなことぜ~~ったいないのだっ!!いつまでも大好きなのだっ!!」 『早く会いたいってオレの気持ち、わかってくれる……??』 「わかるのだっ!あたしも早く翔に会いたくてしょうがないのだっ!!」 あぁもうっ、ほんっと素直で可愛いんだから。 『じゃあ明日から、送り迎えしても良いよね?』 「もちろんなの……だ?」 さすがの里央も、ひっかけられてたことに気付いたらしい。 クスリと笑って、その予感は間違ってないよと教えてやった。  
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