さよならは言わない。

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「里央、愛してるよ―――」 とびきりの笑顔で、囁けたはず。 ありったけの想いを、込められたはず。 里央がこの先愛情になんて飢えないぐらいたっぷりと、甘くて重いディープな愛を、注ぎ込んであげたつもり。 涙でべしょべしょで、でもやっぱり綺麗で可愛い里央の顔。 光に吸い込まれるように、ぼんやりと輪郭が歪む。 わからなくなる、最後の瞬間まで、何より愛しい顔を焼き付けて。 「翔っ!!」 聞こえなくなる、最後の瞬間まで、何より愛しい声を、刻み付けて。 「翔、翔っ……」 里央が、呼んでくれる声だけが、世界になって。  
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