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「誰かっ!助け…きゃぁっ!!」
花蕾は走って走って逃げたが……とうとう男に捕らえられてしまった。
腕をつかむ手の力が強い……
相当怒っているに違いない。
(誰かっ…!)
見回してみても誰もいない。
男の手から何とか逃れようともがくと、視界の端にキラリと光る物を見た。
(――刃物!)
大人しくしろとばかりに、男は手に持つ刃物を花蕾の首筋へと突き付けた。
ひやり
と冷たい汗が首筋を伝う……
半ば絶望しかけていたその時……
突然、好機は訪れた。
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