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乱れた呼吸音がコックピット内に響いていた。
戦闘服には血がにじみ、身体中ボロボロだった。
隣に目をやると、副操縦士のマリは気絶していた。
一瞬旋律が走ったが、呼吸音と上下する胸をみて、安心した。
後ろに目をやると、通信士のユウスケは再起動に必要なエネルギーを捻出しようと再計算をすでに始めていた。
「どうだい?動きそう?」
「ここまで損傷が激しいと、厳しです。外にでて破損部分を調べたいけど、宇宙空間だし…。まぁ、できる限りやってみます。ダメなら脱出しましょう。」
明るい返事ではないが前向きな返事が返ってきて、一安心した。
今、自分たちの置かれた状況は、必ずしもいいとはいえなかった。
早く帰国しないと…
焦る気持ちで心は満たされていた。
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