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「こちら管制室、フロンティア号、リカバリー号、応答願います」
『こちらフロンティアどうぞ』
『同じく、リカバリー、どうぞ』
「外部船底部分に温度上昇が見られるため、問題がないかチェックをお願いします」
『こちらフロンティア、了解しました、すぐに調べます』
『リカバリーも了解しました、調べます』
そういって、二つの船から船内のスキャン画像と数値が送られてきた。
「主任、船内及び外部の映像を主モニターに回してもらえるか?」
大佐が言った。
「船内ならびに外部の映像、主モニターに回します」
モニターに映し出されたのは普段道理に行動する隊員たちと、一面が赤茶けて荒涼とした大地だった。
「問題なさそうですね…」
主任がそう呟いたとき…
ビーッ!ビーッ!…
と警告音が流れ、主モニターに
[警告] warning [警告]
と赤字が点滅した。
「どうした!」
「外部船底部分の温度が急激に上昇!融解まであと200℃!」
「こちら管制室、フロンティア、リカバリー、応答願います」
『フロンティア、トラブル発生!、船体温度急激上昇!』
『リカバリー、トラブル発生!船体温度上昇!』
「両船とも調査を緊急中止!直ちに安全高度まで上昇してください!」
「船体温度さらに上昇!融解まで150℃!」
『こちらフロンティア、出力最大でも上昇出来ません!』
「なんだって?!」
管制室内は騒然となった。
「現状報告!」
「フロンティア、リカバリー共に反重力エンジン及び推進装置はフル稼働しています!外部からの圧力もありません!」
「主任!融解温度ギリギリです」
「通信装置に不具合発生!」
一瞬にして修羅場と化した管制室、しかし騒然としているのはここだけではなかった。
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