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「まったくもって純情可憐な童貞少年じゃのう、ワシが落ち込んでおると思ったのか? 優しいだけじゃ女をものに出来んぞ!」
「ななな! ってぇミッちゃん何してるんですか!?」
「ズボンとパンツの両方を脱がせようと四苦八苦しております、ポッ」
何て人達だ、押しても駄目なら引いてみろって事なのか!
いたいけな僕の気持ちを返してくれっ、あと童貞と言わないで!!
「ぜっ……たいっ! 脱がせ、ませんよぉ!!」
「ひゃっ!?」
「!?」
興奮した僕の気持ちに呼応したのか触手が飛び出し、僕に被さるようにしていた二人に絡みついた。
突然の事に驚いている二人の隙をついて、僕はその、大人の二の腕程もある触手で二人を宙に張り付けにした。
「くっ、よもやここまで触手を使えるとはのぅ。しかし触手姦ルートらしくなってきたぞ」
「初めてが3Pですか、凛斗様も好きでいらっしゃいますね」
「すっごい不穏な会話をしないでください!?」
途端、触手から垂れる透明な粘液の匂いが部屋中に充満し、僕の意識は霞みがかかったように朦朧となる。
蛍光灯によって光る、粘液に濡れた赤土色をした触手。質感はイカやタコのそれに近いのに、触れると毛虫のように柔らかく、微妙に暖かい。
これは縛る用としてよく使っている触手だけど、僕が出せる種類は他にもまだある。
……ただ、人前で見せられる外見がこれくらいしか無いのだ。先が割れてたり血管やイボイボが浮き出てたり細いのが何本も重なったり……うん、考えるのをよそう。
グロテスクな見た目には、さすがにまだ馴れてない。
「と、とにかく部屋から出て行ってもらいますから! ていうか毎度毎度同じような事させないでください!!」
「姫、この粘液には催淫効果が無いみたいです。ですから舐めても意味がないかと」
「なんじゃと! まさか粘液の効果も操れるようになっておるとは、やはり何も知らない初日にやる事やっておけば……」
「寝込んでた僕に何する気!?」
もはや脊髄反射並の突っ込みを入れたら、待ってましたとばかりにクーちゃんが笑う。
しまったと思った直後、小さな口は開かれた。
「もちろん、セック――」
「やっっめぇぇぇええーーいっ!!!」
――僕ら三人のではない大声が轟いたのは、まさに奇跡のようなタイミングだった。
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