~包み隠さない気持ち~

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「……ミズヌシを止めるには、地中に伸ばしたコードを切るのが一番です。しかしそれでも内蔵燃料により半日は活動が可能です」 「内部のコントロールルームで、今出されておる命令を書き換えられればいいのじゃが……ミズヌシに入れる箇所は頭上のハッチのみ。人力のみじゃ厳しいものがあるの」 遊園地にいたであろう人達は殆ど避難できたようで、ここにいるのは僕とクーちゃんとミッちゃんだけだ。 ミズヌシは口のような部分から爆弾を吐きながら破壊活動を続けているけど、遊園地からは出ないみたいだし、クーちゃんを狙って暴れている訳でもないので、僕らは作戦を考える事が出来ていた。 「僕が、クーちゃんをハッチのある所まで連れていくよ」 「しかし、ミズヌシの防衛機能が起動していた場合、表面には常時、二万アンペア程の電流が流れておる。生身でこれに耐えられる者などおらん」 苦々しく呟くクーちゃんに、厳しい顔つきのミッちゃん。その二万アンペアの電流がどのくらいなのかは分からないけど……物は試しだよね、うん。 「ちょっと確かめてくる」 「え――なっ、凛々!」 クーちゃんの声を後ろに、僕は空高く跳躍する。 ミズヌシの頭上を軽々越す高さまで上がると、重力に従って身体が地面に落ちていく。 ただ落ちる僕と地面の間には、暴れ回ってるミズヌシがいた。 「凛々!?」 「凛斗様!?」 僕は足裏の触手で、ミズヌシの頭上へと着地した――瞬間、目の前が真っ白になった。 耳鳴りがしたかと思った時には身体が空中に投げ出されていて、受け身も何も取れないまま地面に落下した。 落下の衝撃も感じぬまま、僕の身体はまるで全身を紐か何かで雁字搦めにされたように動かず、視界は依然として真っ白なままだ。 何も見えないし何も聞こえないし、何も感じない。 だけどこのままミズヌシの足元にいたら踏み潰されると思い、僕は必死に意識を集中させた。 すると触手のほんの先端だけ感覚が戻り、それを頼りに遠くへと伸ばし、何かに巻きつけて身体を引っ張った。 触手に引っ張られてミズヌシの足元から脱出できた僕は、どこかも知らぬそこでじっとしていた。 すると徐々に視界や聴覚、身体の自由が戻ってきて、今いる場所が街路樹の近くなんだというのが分かった。
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