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もう身体は言う事を聞かない。
このまま倒れて地面に落ちれば、まだ助かる可能性はあったかもしれない……でも僕がいるのは頭部のど真ん中だ。
このまま倒れても落ちる事は有り得なかった。
(迅那は無事に逃げられたかな? ミッちゃんは無事かな? クーちゃんはちゃんと止められる、かな……柚子ちゃん、出来ればもう一回、会いたかったな)
心配は尽きる事がないけど、そろそろ意識も保ってられなさそうだ。
ゆっくりと膝が曲がって、そのまま倒れかけた時――何か細長いものが、僕の身体に巻き付いた。
「まったく~、ここで死なれちゃ実験の意味がなくなっちゃうじゃない。最後の『仕上げ』を待たずに途中退席は許さないわよ? 凛斗君――」
何だか聞き覚えのある、桃のように甘ったるい声が脳内に響いて、僕の身体はどこかへと引っ張られる。
意識はそこで、完全に途絶えた――
~包み隠さない気持ち・完~
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