6人が本棚に入れています
本棚に追加
「勝手に部を立ち上げた挙げ句に生徒会室の無断重複利用!!重ねて何だあの挨拶は!!俺の書いた挨拶文は何処へやった!?その上1年の教室でばか騒ぎしやがったのに加えて入部試験を行うだと!?何処までバカやりゃ気がすむんだ貴様ぁ!!」
ぜぇはぁと荒い息をついて捲し立てたメガネさんは怒りで顔が真っ赤になっている。
…これは、ふざけてられないだろう…
兄貴はどうするつもりなんだ?
あまりの事の次第に俺の顔は少し青ざめていただろう。黙って兄貴に目をやる。すると、兄貴はさすがに真剣な顔をしてメガネさんを見据えていた。
「羽崎誠司(はさきせいじ)先輩…」
「何だ…」
ぴらりと一枚の紙を取り出してメガネさんこと羽崎誠司先輩の鼻先に突きつけた兄貴はにっこりと笑ってこうのたもうた。
「許可申請決裁済みですのであしからず♪」
「………はぁあっ!?」
わなわなと震える手で紙を受け取った誠司先輩の顔色が、文面を追うごとに赤から青へと変わっていく。
俺の顔色はついでに青から白へと変わった。
真剣な顔をしたと思ったら…あぁ、そうだ。こういう奴だったよ、兄貴は!!
俺の対兄貴用精神力は一年間のブランクで何処かにお引っ越ししてしまったらしい。
最初のコメントを投稿しよう!