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「なっ!?何でっ!?何が!?はぁ!?」
口から出てくるのは意味をなさない言葉の羅列のみ。目の前で俺の両手をがっしりと捕まえてきらっきらした目で見つめてくる1年5組13番千坂真光留を唖然と見つめ返した。
「し・ん・ゆ・う!!べすとふれんど!!どぅーゆーあんですさん?」
「誰だ、アンデスさんって!!いや、問題はそこじゃなくてだなっ!!」
しどろもどろな俺に真光留はさらに身を乗り出して暑苦しく…いや、熱く語ってきた。
「青春したいっす、先輩!!一生に一度の高校生活…俺も楽しみたいっす!!人生楽しんだもの勝ちなら、俺は勝ち組希望っす!!俺を男にしてください!!」
いや、君、色々間違ってるから!!どこをどう突っ込んだら良いんだ!!誰かこいつを引き取ってください!!
「いや、だから…待て待て待て待て…」
俺の脳内キャパシティを軽く越える事態に何の対応も出来ずにいると、真光留はがっくりと肩を落としてとんでもないことをぶちかましやがった。
「そうですか…いきなりやってきて不躾に入部は出来ないんですね…。て事は入部試験とかあるわけっすか!?」
…ニュウブシケン…?
「へ?」
「やっぱり勝ち組になるにはそいつの素質とかも必要なんすかね!?」
…誰かこの中に状況を把握している方はいらっしゃいませんかぁ…?
ばたぁんっ!!
「話しは全て聞かせてもらったぁ!!」
教室の前扉を勢いよくぶちあけて飛び込んできた人影を見て俺は唖然呆然を通り越して放心した。
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