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「確かに、ただダラダラとしたくて入部するようなやからが入るのは我がSSSクラブの名折れである!!」
『おぉーっ!!』
真光留を含めた俺以外のクラスメート全員が感嘆の声をあげる。
………何故!?
「青春を精一杯青春するためにSSSクラブはあるのだ!!精一杯の努力をせずして得られるものとは何だ!?果たしてそこに見出だせる価値はあるのか!?」
教壇に立ちオーバーアクションで演説を始めやがったよ…この兄貴は…
ていうか何すんなり馴染んでやがる!!ここは1年の教室だ!!放心してた分思考回路が止まってたが…さっきからツッコミどころが満載過ぎる!!
「君たちは一生に一度の高校生活を無為に過ごしたいと思うか!?答えは否や!!けして無意味に人生を終わらせたいなどと思うものはいないだろう!!」
…なんかいきなりスケールでかくなったぞ…
「人生の若き日の一瞬一瞬はまさしく光矢の如く!!知らぬ間に過ぎ去っても良いのか!?それで君たちは後悔しないのか!?」
兄貴はここで言葉を一旦切り、クラスを見渡した。
皆一様にきらきらと目を光らせて兄貴の次の言葉を待っている。
「良いわけがない!!あってたまるか!!これより…我々SSSクラブは近日中に青春満喫☆入部資格試験第一段の開催をここに宣言する!!」
『うおおおおおおお!!』
教室が揺れた。
「青春したいか~っ!?」
『いええええええ!!』
「青春満喫したいか~っ!?」
『いええええええ!!』
俺はくらくらする視界の端で何人かの生徒が嬉々とした顔で走り去るのを目撃した。きっと他のクラスに伝えに行ったんだろう。
「ちなみに我が親愛なる弟兼我が腹心の部下深夜副部長くん!!」
新しい肩書きをつけるな!!…あぁ…何か嫌な予感…
「今日から企画を考えるから放課後は空けといてね☆」
ぺろっと舌を出して左手の拳を頭にこつん☆…って
「なにいぃぃい!?」
『深夜副部長!!よろしくお願いしまぁぁす!!!』
予感は確信へと否応なしに変わりやがった。
こうして俺の波乱を含んだ珍☆高校生LIFEは始まったのだった。
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