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ならば偶然母上が男に戻ってしまったら、我は父上が二人になってしまうのか?
それはまずいぞ。そんなことになれば授業参観の時に我だけ父上二人ということになってしまう。
友人がそれを見ればきっとこう思うだろう。いや、言うだろう。
「お前どうやって生まれたの!?」
と。しかしよく考えると授業参観で両親が来ることはないだろうし、よくよく考えて見れば高校生になれば授業参観なんて物はないのだということに思い至った。
我の心配は徒労に終わった。良かった良かった。
いや、我の問題が解決していなかった。そうだ。できれば早く戻りたい。母上ももう四十代に至っているにも関わらず戻れていないのだ。
このままでは我は一生女で過ごさねばならなくなる。
流石にそれは嫌だ。まあしかし、何を言っても現状は変わらない。ならば解決策を模索し、見つからない場合、女として生きる覚悟も持たねばなるまい。
とりあえず鏡を見た。どっからどう見ても美少女だ。我とは思えない。
胸を揉んだ。
我の黒髪は一夜にして伸びた。伸びに伸びた。毛髪力が半端ではない。
もし、これのせいで毛根が死んでしまったらどうしよう。
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