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姉上の部屋は女性の部屋とは思えぬ程に簡素だ。
八畳程の部屋に置かれたのはタンスとベッドのみ。とてもじゃないが花の女子高生の部屋とは言えない。
とは言え服があるのはそのタンス。ベッドの左の隅に置かれたタンスを慎重に開ける。
とりあえず無地の白いブラジャーと、同じ様に白いパンツを拝借し、服の方に移行する。
スカート。とりあえず膝丈くらいのでいいだろうか? 紺のスカートと――
ガタリ。
……音がした。後ろの、ベッドの方から……。
「良く寝たのー」
……姉上が起きた。
「むっ! 貴様誰だ!」
若干のタイムラグの後に姉上が我に詰問する。
しょうがない。本当のことを話すか。
「姉上!」
我は振り向いて、姉上に説明しようとした。姉上は我が振り向き、姉上、という単語を放ったと同時に大声を出した。
「姉……上? 余に妹などおったかのー? ……はっ! まさかお主……生き別れの姉妹か!? なるほどなるほど、得心いった。昨日の夜にでも家に来たのだろう。そして服を忘れてしまったから余から借りようとした、そうだな?」
何か色々と勘違いしている気もするが、話の本筋は的を射ているので頷いておこう。
「そうなのだ」
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