47人が本棚に入れています
本棚に追加
「僕の勝ち♪」
「お前は反則負けだろ…。」
マックスが先に校門に着いたのは、誰もが予想できる様な賭けだろう。
ニコニコ楽しそうに言う顔を見れば、俺は不機嫌そうに眉に皺を寄せて言った。
「そうかな?そうでもないよ。そんなに距離だってあいてなかったしさ。」
「だからってお前には奢んないからな、今月はコミック代とかあるからピンチなんだって。」
「え―…じゃあ。」
ぐいっと腕を引っ張られて、俺はそのままマックスの方へと引き寄せられ、思わず瞑った目を開ければマックスの顔が目の前にあり、自分の唇には温かさがり…、事が一瞬理解出来なかったが、理解した瞬間、一気に自分の体温が上がるのを感じた。
「っ…!お前っ…ここ外っ…!」
「誰が見てたっていいんじゃない?ごちそうさま♪」
意地悪な笑みを浮かべて俺に向かって言い、くるりっと回れ右をすれば、俺に手を差し伸べた。
「何固まってんのさ?帰ろう♪」
差し伸べられた手に、俺の手が乗れば、ギュッと握られそのまま俺を引っ張り歩き出した。
あったかい。
「マックスの…バカヤロー。」
「え…何?次は部活中に?別に良いよ?半田意外に大胆だn…」
「いや…ごめんなさい、なんでもないです。」
繋いだ手だけで、すっごく嬉しいのは、
お前がすっごく好きだから…
なのかな…?
「真一の手、離したりしないからね?と言うか離してあげない。」
「………う、うれしい…か…な。」
「よしよし。素直が一番だよ。じゃあ帰りは半田の家でご飯食べて帰ろう。」
「勝手に決めんなよ。」
「だめなの?」
「いや、良いけど…。」
好きで仕方ないから
俺も離さない。
俺も離したくない。
…口には絶対に出してやらないけど。
最初のコメントを投稿しよう!