ずっと傍にいたいから

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私には足がある。 あなたにも足がある。 全く違う足がある。 私は短い、あなたは長い。 あなたが歩いて私が追う。 あなたは速い、私は遅い。 あなたは前だけ見てる。 私はあなただけ見てる。 追い付けなくて、切なくて。 早歩きの足は疲れすぎてただの棒になった。 ドテッ 私には無意味な足がある。 すぐにこける足がある。 どうか私がこけた事に気付いて… 「……だっせぇな」 目にたまった水でくもって何も見えなかったはずなのに、あなたの手だけが妙にはっきりと見えた。 私には手がある。 あなたにも手がある。 気持ちを繋ぐ手と手がある。 「おら、行くぞ…」 私を引っ張ってくれる手がある。 あなたが引っ張っている手がある。 あなたの手は大きい、私は小さい。 だけど繋ぐ理由は同じ。 ズット傍ニイタイカラ .
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