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か細い声で紡ぎだす、私の中で1番大きな気持ち。
サシスセソの三番目。
カキクケコの二番目。
タチツテトの四番目と点々。
そしてまたサシスセソの三番目。
たった四文字。
たとえ短くてもその言葉の持つ意味は果てしなく大きい。
その四文字が私の声によって空気を震わせた後、しばらく鈴がなるみたいな静けさが流れた。
あなたの顔は赤。
私の顔も赤。
あなたの真っ赤な手が伸びて、私の手をそっと握った。
「………ありがとな……」
アイウエオの一番目。
ラリルレロの二番目。
カキクケコの一番目と点々。
タチツテトの五番目。
私の顔は笑ってる。
そしてあなたは少しうつむいて、
「はずい…」
と笑った。
何回も…
何回も言うよ。
「亮、好きだよ」
そしたらあなたは言う。
「わかってるって…」
照れ隠しと分かっているから、
私はアリガトウと言い返した。
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