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もう夕方だ。西の空が真紅に染まる。不吉だ。きっと、親も俺を記憶していないだろう。
…………漫画喫茶で、過ごそうかな……。
どこと無く歩き回り、もうくたくただ。最近の漫画喫茶は低価格で一晩を過ごさせてくれるから、多少は安心だ。
PC……何か、面白いモノでもあるかな……。せめて、今だけは事実を忘れたいんだ。
空人「…………ん?」
ネットサーフィングをしていると、とあるページに、釘付けになる。
空人「こ、こいつ……!」
そこには、あの時、助けて、いや、俺をこんな世界に追いやった、張本人が描かれていた。
空人「む、むらさ……き?」
紫「それで紫(ゆかり)って読むのよ。」
空人「ゆ、紫……。」
ん?誰だ?
い、居た、見付けた……!
空人「てめぇ、よくも俺を!」
とりあえず殴ろう。あまり気が進まないが、ダメだ、こいつは絶対殴る。
しかし、そいつは軽々それを避け、ニヤリと笑った。
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