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仲睦まじい二人の姿を、離れた場所から見ている一つの影があった。
「委員長、一体何をやっているのよ」
カレナが影から、二人をずっと見つめていた委員長に話しかける。
「何って、その……あれよ」
言葉に詰まっている彼女が今まで見ていた方を見て、カレナは意味深げな笑みを浮かべる。
「あの二人の事を気にしていたのね。成程成程」
納得したように、何度もうなずくカレナ。
昔は自分も彼女のようだったのだから、なんとも言えない滑稽さがあるのだろう。
しかし、正体を教えても面白くは無い。そもそも、彼女に教えてはならないのだ。
易々と教えてしまっては、リオンが崩天のルシフェルの弟子であるという事を、隠している意味がなくなる。
それに、彼が教えてないという事は、確実に教えてはいけないのだろう。
「それにしても、まるでストーカーね」
かつての自分に向けての嘲笑も含めていう。
「悪かったわね。あなたも、いつまでもウジウジしてないで、ファイに告白したらどうなの?」
「な、そ、それとは関係ないでしょう!」
「大いに関係しているわ。私は知っているのよ?」
顔を赤くしたり青くしたり、忙しい事だ。
「い、委員長には関係ないでしょう!」
「関係しているわよ。リオンとファイの関係を教えなさいよ」
「何処から、それにつながるのかしら……」
呆れてしまうカレナ。
秘密にしているようなものを、そう簡単に教えられる訳がない。
「ったく。委員長もそんな事を調べているなんて暇ねぇ」
「いいから教えなさい」
「知らないわよ、そんなの」
「嘘おっしゃい」
簡単には信じられるとは思っていなかったが、まさかここまであっさりとなると、流石に引かざるを得ない。
「貴女達が最近、一緒に行動している事は知っているのよ」
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